競争が激化する業界において、存在し続けるためのブランディング化
鳥栖スポルト接骨院
院長 徳安 琢磨 氏
- 柔道整復師
- 柔道整復師専科教員
- 機能訓練指導員
- 佐賀県クラブユース・メディカルマネージャー
- 佐賀県クラブユースサッカー連盟・医学部長
それ以外では、やはりトレーナー活動を通じた活動が大きいかと思います。
トレーナーとして関わっているクラブチームや高校の部活で、メディカルチェック(スポーツ障害の早期発見・予防を目的としたボディチェック)やスポーツリハビリテーション、ストレッチ、体幹トレーニングなどの指導、保護者の方向けにスポーツ障害予防に関する講習会などをさせていただいたりするのですが、実際にすぐに患者さまという形でリアクションがあるという意味では、一番大きいように感じています。
しかし、何と言っても一番効果的で確実なのは、患者さまからのご紹介だと思います。
そして患者さまにご紹介してもらうために必要だと個人的に思っているのは、
1)環境づくり
2)対応(コミュニケーション)能力
3)スキル(機能解剖や運動学などの知識、触診や運動療法などの技術)
4)感動
です。
これらが、当院の目指す『ブランディング』のためには必要だと思っています。
1)環境づくりは「販促活動の取り組み方」にもあるように、患者さんに来院してもらうにあたっての環境づくりのことです。
2)対応(コミュニケーション)能力は、「患者さまがどの様なものを求めているか」を察知し、適切に対応できる能力のことです。また、それに基づく信頼関係の構築も必要です。
3)スキル(知識、技術)は、「なかなか思ったような結果が出ない…」など悩んでいる先生も多いと思います。ヒトの身体は非常に複雑ですし、病院でさまざまな検査機器を使ってもわからないこともたくさんあります。ましてや、柔道整復師のカリキュラムや、資格を取ってからの柔道整復師業界だけの勉強会ではわからないことがあるのは当然だと思います。
この様な知識・技術の向上を目的として、国内でも著名な、各専門分野の理学療法士の先生方を講師にお招きして勉強会を開催しています。
医療の最先端である病院に勤務する理学療法士の先生方は、柔道整復師では知ることが困難な情報を持っており、そこで学んだことを患者さまに還元しています。
ご参考までに、過去に私が開催した勉強会をご紹介します。
THERAPIST CIRCLE FR
4)感動に関しましては、ただ単純に「よくなる・よくなっていく」だけでは紹介にまでは結び付かないと思っているからです。
患者さまからすると、施術を受けに来ていますから「よくなる」のは当然のことです。それだけだと、紹介までは確実には結び付かないと感じています。
その『もう一押し』のためには、施術を通じて『感動』してもらうことが必要だと思います。
これは1)環境づくりや2)対応能力によってもそうですし、一番わかりやすいのは『その場で違いを感じてもらう(結果を出す)』ことだと思います。誰だって『出来なかったことができるようになる』のは、その変化が大なり小なり嬉しいものです。『出来なかったこと』を『その場で違いを感じてもらう』(※例えば、痛みで正座ができなかったのが、5~10分ほどで、完全とまではいかなくても、患者さま自身が明らかに違いを感じるくらいに曲げられるなど)、そのためには3)スキルは必須条件です。
当院もまだまだ理想の半分にも達せていませんが、現在、マッサージや慰安的な目的で来られる患者さまはただの一人もいらっしゃいません。少しずつ、理想に向かいブランディングが浸透していると実感しています。
柔整業界の現状は本当に厳しく、ある意味当院が実施している内容は業界の流れとは逆行している様にも感じていますが、今回の情報が、本当に業界を良くしようと考えている全国の先生方の何かお役に立てれば幸いです。