WITH コロナ時代の
院経営

~地域の方々が信頼を寄せる
施術院の実現に向けて~

コロナ禍で施術院の多くが院経営の変革が必要となってきました。
中には、この時代の変化に対応をしきれず、閉院を余儀なくされる院もあります。

そんな中、コロナ禍でも多くの患者さまが来院される施術院は全国にあります。
本記事では、そのような施術院さまにインタビューを行い、with コロナ時代でも患者さまが来院される施術院ではどのような取組みを実行しているのかを紹介いたします。

第1回目は、横浜市の「ほねつぎ藤井整骨院」様です。

Profile

ほねつぎ藤井整骨院 藤井 俊介 様
ほねつぎ藤井整骨院
藤井 俊介 様

1995年、大学在学中に接骨院に弟子入りし、2004年にほねつぎ藤井整骨院を開業。現在は院長と受付1名で経営しており、1日に50名前後の患者さまが来院される。地域の介護や防災関連の活動にも参加しており、多岐に渡る分野でご活躍されている。

01柔道整復師を目指したきっかけ

私はスポーツでケガをすることが多く、地元では整形外科にいつもお世話になっていました。はじめて整骨院を訪れたのは、大学入学直後。ギプス固定されるほどのひどい捻挫をした際、「もう治らないから一生サポーター」と医師に告げられた後でした。落ち込んでいたのですが、その際に大学の先輩がバイトをしている整骨院に連れて行ってくれました。そこで、今の師匠に当たる院長に整復してもらったところ、その場で悩みが軽くなり感動したのを覚えています。その後、毎日のように通うと悩みがどんどんと無くなっていき、整形外科と整骨院のケガに対するアプローチの違いに興味が湧いてきました。そんな中、たまたま先輩のピンチヒッターでアルバイトをするようになり、日々整骨院の現場を観させてもらううちに「柔道整復師を目指したい」と決心するのにそれほど時間はかかりませんでした。

ほねつぎ藤井整骨院

02目指すセラピスト像

私は大学生時代に整骨院と出会うまで、この業界のことを全く知りませんでした。業界のことを知らないため、ケガをした際に訪れる施設の候補としてなかったわけです。しかし、両方の施設の特徴を知っていれば、整骨院と整形外科の両方を上手く活用できていたと思います。この、情報が不足したり、知る機会がなかったことにより、1つの選択肢を取るしかなかった / ある選択肢を取ることができなかったというのは、非常にもったいないことだったと思っています。そして、地域の方々には、「○○を知らなかったから対応ができなかった、悩みが悪化した」という経験をして欲しくないと思っています。

私は「地域の患者さまに何か困ったことがあった際、気軽に相談できる場所」を目指しており、そのためには様々な分野の知識・情報を身に着け、横のつながりを持っておく必要があると思っています。
防災や介護の活動を始めたのは偶然そういった出会いや機会があったからなのですが、この分野でも一刻を争うことは多く、対応の遅れが取り返しのつかない事態を招く可能性もあります。そこで、情報・つながりがあれば、地域の人が悩んでいるときに柔道整復師として対応できること以外にも、地域の関連施設を紹介することができます。私が目指す施術院を実現するためにも、施術を行うだけでなく、多岐に渡る活動を実施することが大切だと考えています。

03コロナ禍における患者さまの変化

トータルで見ると、私の院ではコロナ前と現在では患者数の変化は、ほとんどありませんでした。ただ、緊急事態宣言が発令されてからは、子どもの患者さまが一気に減少しました。急性外傷やスポーツ障害が、活動自粛により発生件数が減少、自然治癒したのです。一方、テレワーカーで腰・臀部・首のお悩みを抱える患者さまが増加しました。また、外出自粛などによる運動不足やストレスが原因とされるような体の不調を訴える患者さまの数も増加しました。これは情報弱者になりやすい高齢者に多かった印象です。

テレワーク導入後の
不調について

テレワーク導入後の不調について

テレワーク導入後の
肩・腰などの痛みが悪化

テレワーク導入後の肩・腰などの痛みが悪化

第一三共ヘルスケア株式会社(2020)「3人に2人が感じる「テレワーク不調」肩こり・腰痛が多く、業務効率低下に<テレワークによる体の不調「テレワーク不調」に関する調査>」より抜粋

04WITH コロナ時代だからこそできること

大きな変化の1つは、完全予約制(急性外傷患者は除く)に切り替えたことです。元々は急性外傷患者を多く受け入れたいと考えていたため、予約制は取り入れていなかったのですが、空間が密になることを避けるために営業時間の拡大と共に実施しました。最初はコロナ対策として予約制を実施しましたが、実施をしてみるとコロナ対策以外でのメリットも感じています。予約性を導入したことで、私自身に気持ちの余裕が出てきて、患者さまのお話をより詳しく聞けるようになりました。コロナ禍で患者さまはストレスがたまっており、ストレスが原因による体の不調を抱えていらっしゃる方もいます。また、ご高齢の方ですと、認知症が進んでしまった疑いがある患者さまもいらっしゃいます。こういった患者さまには、ただ施術をして悩みを解決してあげるだけでなく、話をしっかりと聞いてあげることが大切だと思っています。場合によっては、地域の専門施設を紹介し、さらなる健康状態の悪化につながらないようにサポートをしています。

WITH コロナ時代だからこそできること

2つ目は、当たり前のことのようですが、感染症対策を徹底して行っています。コロナが流行する前から災害医療の勉強会に参加しており、プリンセスダイヤモンド号の騒ぎの時点で、「COVID-19 対策」がテーマになりました。その講義の中で、患者さまに安心して来院をしていただくためには、どのような対策を行えばよいかを学ぶことができました。感染対策は十分に行えている自信がありましたが、話を聞いて対策が甘い部分があることも知ることができ、そこで感染症対策を一新し、正しく恐れるための情報発信をすることにしました。そのことが、患者さまが安心して来院をしてくださることにつながっていると思います。

WITH コロナ時代だからこそできることWITH コロナ時代だからこそできること

05これから取組んでいきたいこと

最近、私の院では bonbone check システムを導入させていただきました。私は子どもの運動能力の低下を危惧しています。近年、子どもの運動能力の低下が社会問題として取り上げられることもありましたが、コロナ禍で外出自粛が続いたことで、より一層深刻な問題になりつつあると感じています。運動能力の低下でいうと、子どもよりもご高齢の方の方が問題とされることが多く、そういった方に向けた予防サービスは多くあります。しかし、ご高齢の方よりも、子どもの方が体の変化が激しいので、子どもにもしっかりと目を向ける必要があると思っていますが、子どもの運動器を測定するサービスや運動能力の低下を予防するサービスはあまり多くないように感じています。

体力テストの合計点推移(小学生)

体力テストの合計点推移(小学生)

スポーツ庁(2022)「令和3年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果(概要)について」データを参考に、弊社作成
※H22、R2はデータなし

そこで、患者さまの運動器の状態を測定することができる bonbone check システムを導入させていただきました。まずは子どもや保護者さまに、身体の状態の変化を知ってもらいたい、運動器年齢を向上させるトレーニングメニューの提案をしていきたいと考えています。また、私の院の患者さまだけで実施するのではなく、地域のイベントに出店したり、地域のスポーツ少年団のチームと連携をして、3か月に1回程度測定する取り組みなどが実施できないか検討しています。また、 bonbone check をご活用されている先生のコミュニティーで、毎月参加自由の座談会があるので、そちらに参加をさせていただき運用ノウハウを勉強しています。

活動が少しでも地域のお役に立つことができれば幸いです。

bonbone check についてはこちら

編集後記

学生時代の原体験そのままに夢を叶えられ、地域になくてはならない院を育てられた藤井先生のストーリーをお聞きしていると、インタビューの時間があっという間に感じられました。介護事業や災害サポートに関わるきっかけも“たまたまの縁”でと謙遜されていましたが、地域のために、患者さんのために何かできることがないかと常に行動をしているからこそ、縁が繋がったり、チャンスが舞い込んでくるのだと思いました。コロナ禍で先行き不安な社会だからこそ痛みの原因は一つではなく、より多様化していきます。

不確実性の高い世の中でも、藤井先生のときには失敗しても試行錯誤しながら地域の方と一緒に歩んでいく施術院こそこれから必要とされ、再評価されるべき場所なのではないでしょうか。今一度、私たちもダイヤ工業のパートナーである先生方に、その時々に価値のあるプロダクトやサービスを提供するために何ができるかを常に問い続けていきます。




後半へ続く







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